2017年08月21日

インフレ目標の本当の意味

新聞やテレビでインフレ目標についてのニュースを度々目にする。

もっとも多いのが、

「日本銀行が「2%インフレ目標」の達成目標を再び先送り!」

「これは異次元緩和そのものの「敗北宣言」に等しい。」

などと言う見出しだ。


これはマスコミが、日銀のインフレ目標の意味をまったく理解していないことを暴露しているようなものだ。


だから多くの国民も本当の意味を理解していないのだろう。




実は、インフレ目標を設定するのは、失業率を下げるためなのだ。



失業率とインフレ率は逆相関(一方が増えるともう一方が減る)の関係にある。
これは経済学で知られている「フィリップス曲線」で説明できる。


2%のインフレが、ほぼ3%程度の失業率に対応する。


つまり、失業率を下げようとして金融緩和をしたことにより、
インフレ率が上がり過ぎるのを防ぐために、インフレ目標を設定しているだけなのだ。


失業率は低ければ低いほど良く、ゼロが理想だが、実際にはゼロになることはない。

雇用のミスマッチなどで、どうしても「これ以上下げることができない」というラインがある。


これを「構造失業率」という。


いくら金融緩和しても、構造失業率よりは下がることはなく、
その先はインフレ率だけが高くなってしまうのだ。



逆に言うと、構造失業率までは金融緩和をする余地がある。


高橋洋一先生の計算によると、失業率は2%半ばくらいまで下げられると言う。


今の失業率が2.8%だから、あと少し下がれば構造失業率になる。

そこまでいけば、やがて賃金も上がり、物価も上がってくる。


アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、
「物価の安定」とともに「雇用を増やすこと」も政策目標に掲げている。


ところが日銀には、「雇用を増やす」という目標が担保されていない。


金融緩和=雇用の増加

このメカニズムが日本では理解されていないのだ。


こうしたメカニズムを知らないメディアが、
「インフレ目標2%を達成できないから、金融緩和は失敗だ」と大騒ぎするのは、本当に情けない。


日本の現状は、失業率は下がっているものの、
インフレ率はまだ上昇していない。

しかし失業率が下がって雇用の確保ができていれば、
インフレ率はあまり問題にならない。

いや、むしろラッキーだとさえ言える。


雇用が確保されているうえに、物価が上がっていないことを素直に喜ぶべきだ!



※出典:高橋洋一著「日本の大正解」より


インフレ目標の本当の意味










Posted by 五十嵐かずひこ at 20:18│Comments(0)
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プロフィール
五十嵐かずひこ
五十嵐かずひこ
鶴岡市鼠ケ関で生まれ育つ。
平成25年11月から鶴岡市議会議員となる。
これまで経験したことのない人口減少社会。
地方の抱える課題は特に深刻だ。
その中で、持続可能な地域の実現を目指して、
出来る事を確実に一歩ずつ進めていきます。