2017年04月09日
年金破綻説の嘘
巷の「年金破綻」説に惑わされないように、
年金についての要点を整理してみました。
■少子化で年金制度が成り立たなくなる?
人口が急減するのではなく、漸減していく状態では
保険数理の計算さえしっかりしておけば年金制度が
破綻することはありません。
負担が少し増え、給付が少し減るというくらいで
調整できます。
そのような仕組みとしてすでに「マクロ経済スライド」が
用意されています。
また経済政策によって一人ひとりの「所得」を拡大できれば、
徐々に進む人口減少分を十分にカバーできます。
■積立不足額が大きいから危ない?
非常に長い目で見ると、年金のバランスシートはバランスします。
最初のうちは、保険料を払わないで年金給付を受ける高齢者がいるので
その分が債務超過になります。
制度が成熟するにつれて、保険料を納めずに給付する人が減り、
不足分の数字はだんだん減っていきます。
■年金積立金が枯渇する?
積立金は枯渇するかもしれません。しかし、日本の公的年金の
根幹は、積み立て方式ではなく、賦課方式です。
賦課方式は、その年に集めた保険料を、その年の給付に
使いますから、積立金はほとんど必要ありません。積立金が
枯渇しても年金は破綻しません。
日本の公的年金は170兆円くらいの積立金を持っていますが、
そもそも、それだけの積立金を持つ必要がありません。流動性
確保のために10兆円程度の積立金があれば運営できます。
■所得代替率五割を維持できなくなる?
所得代替率は、はじめから五割を切っています。
日本ではなぜか60%くらいの数字が示されていますが、
OECDの数字では、日本の所得代替率は四割程度です。
五割という数字を持ち出すほうがどうかしています。
所得代替率は、保険料負担と連動しています。保険料
負担が低ければ、所得代替率は低くなります。
所得代替率が高いほうが年金制度はより不安定になります。
ものは考えようで、所得代替率が四割程度というのは、
年金制度の安定化にはつながっています。
■年金制度の前提となる想定数字が間違っている?
「名目経済成長率」「利回り」については、4%くらい
までなら、日本の実力からすればおかしな数字ではありません。
その数字に達しないとすれば、想定数字が間違っているのではなく、
「経済政策」が間違っているということです。
少子化が想定より加速することはありますが、年率にすると
大きな数字ではありませんので、通常程度の経済成長をしていれば
カバーできます。
保険料の未納率の数字に関しては、きちんとした徴収をすれば
変わります。未納率が想定より高くなったのだとしたら、
徴収を厳格化する必要があります。
■世代間不公平であり、若者が損をする?
世代間不公平はあります。しかし、皆年金制度ができた
当初から世代間不公平はありました。当時の高齢者は、保険料を
納めていないにもかかわらず年金を受給していたのですから、
若い人たちから見ると、これ以上の不公平はありません。
保険料を納めずに年金を受給する高齢者の分をどうやって
埋めるかが課題となり、国費が投入されました。
年々、保険料を納めなかった人は減っていきますので、
時間が経つと穴は埋まっていきます。
むしろ、就職できない若者がいると、いっそう若者の年金が
減りますので、雇用政策が重要になります。
「年金問題」は嘘ばかりの著者である高橋洋一氏は
次のように書いています。
巷の「年金破綻説」はだいたい間違っていますが、
もし、本当に公的年金が危なくなるとすれば、それは
「ずっと経済成長をしなくなった場合」です。
経済が成長しない場合は、残念ながら年金は破綻します。
年金だけでなく、すべての社会保障が破綻します。
年金の制度そのものについては、それほど心配する
必要はありません。かなり持続可能性の高い制度になっています。
ただ、制度が安定するかどうかは、経済の状況次第です。
そういう意味では、年金のために国がやるべき一番重要なことは
「経済政策」だということになります。
※出典:高橋洋一著『「年金問題」は嘘ばかり』より

年金についての要点を整理してみました。
■少子化で年金制度が成り立たなくなる?
人口が急減するのではなく、漸減していく状態では
保険数理の計算さえしっかりしておけば年金制度が
破綻することはありません。
負担が少し増え、給付が少し減るというくらいで
調整できます。
そのような仕組みとしてすでに「マクロ経済スライド」が
用意されています。
また経済政策によって一人ひとりの「所得」を拡大できれば、
徐々に進む人口減少分を十分にカバーできます。
■積立不足額が大きいから危ない?
非常に長い目で見ると、年金のバランスシートはバランスします。
最初のうちは、保険料を払わないで年金給付を受ける高齢者がいるので
その分が債務超過になります。
制度が成熟するにつれて、保険料を納めずに給付する人が減り、
不足分の数字はだんだん減っていきます。
■年金積立金が枯渇する?
積立金は枯渇するかもしれません。しかし、日本の公的年金の
根幹は、積み立て方式ではなく、賦課方式です。
賦課方式は、その年に集めた保険料を、その年の給付に
使いますから、積立金はほとんど必要ありません。積立金が
枯渇しても年金は破綻しません。
日本の公的年金は170兆円くらいの積立金を持っていますが、
そもそも、それだけの積立金を持つ必要がありません。流動性
確保のために10兆円程度の積立金があれば運営できます。
■所得代替率五割を維持できなくなる?
所得代替率は、はじめから五割を切っています。
日本ではなぜか60%くらいの数字が示されていますが、
OECDの数字では、日本の所得代替率は四割程度です。
五割という数字を持ち出すほうがどうかしています。
所得代替率は、保険料負担と連動しています。保険料
負担が低ければ、所得代替率は低くなります。
所得代替率が高いほうが年金制度はより不安定になります。
ものは考えようで、所得代替率が四割程度というのは、
年金制度の安定化にはつながっています。
■年金制度の前提となる想定数字が間違っている?
「名目経済成長率」「利回り」については、4%くらい
までなら、日本の実力からすればおかしな数字ではありません。
その数字に達しないとすれば、想定数字が間違っているのではなく、
「経済政策」が間違っているということです。
少子化が想定より加速することはありますが、年率にすると
大きな数字ではありませんので、通常程度の経済成長をしていれば
カバーできます。
保険料の未納率の数字に関しては、きちんとした徴収をすれば
変わります。未納率が想定より高くなったのだとしたら、
徴収を厳格化する必要があります。
■世代間不公平であり、若者が損をする?
世代間不公平はあります。しかし、皆年金制度ができた
当初から世代間不公平はありました。当時の高齢者は、保険料を
納めていないにもかかわらず年金を受給していたのですから、
若い人たちから見ると、これ以上の不公平はありません。
保険料を納めずに年金を受給する高齢者の分をどうやって
埋めるかが課題となり、国費が投入されました。
年々、保険料を納めなかった人は減っていきますので、
時間が経つと穴は埋まっていきます。
むしろ、就職できない若者がいると、いっそう若者の年金が
減りますので、雇用政策が重要になります。
「年金問題」は嘘ばかりの著者である高橋洋一氏は
次のように書いています。
巷の「年金破綻説」はだいたい間違っていますが、
もし、本当に公的年金が危なくなるとすれば、それは
「ずっと経済成長をしなくなった場合」です。
経済が成長しない場合は、残念ながら年金は破綻します。
年金だけでなく、すべての社会保障が破綻します。
年金の制度そのものについては、それほど心配する
必要はありません。かなり持続可能性の高い制度になっています。
ただ、制度が安定するかどうかは、経済の状況次第です。
そういう意味では、年金のために国がやるべき一番重要なことは
「経済政策」だということになります。
※出典:高橋洋一著『「年金問題」は嘘ばかり』より

Posted by 五十嵐かずひこ at 16:11│Comments(0)